五行・水に属する五臓・腎にはカラダの真陰と真陽が共に備わっています。
ややこしいですね。
腎という感じの下の部分はは月(にくづき)の上にケン・ジンと発音する単独では用いられない文字が当てられ、堅い、ハードという意味を持っています。
「人の生が始まるとまず腎に精がなり・・・」と東洋医学では表現されています。現代医学の人の誕生、受精を東洋医学では両親の精による継承とし、精が五臓の腎に宿ると考えています。
五臓の腎に備わった精(先天の精)から生命を維持するのに不可欠な陰と陽の根源が生み出されています。先天の精は両親から継承されたもの、いつか尽きるもの。それが老化であり、いつか迎える死に繋がります。
誕生・生長・発育・成熟・加齢と関連の深い五臓の腎、精から髄を生じ骨を栄養しカラダの屋台骨を支え、髄が満たされた脳を髄海と表現し栄養しています。
加齢と共に骨が弱くなったり、歯が弱くなったり、健忘などの症状が現れるのも腎精の衰え。
腎気は耳に通じ耳が和めば耳は五音を聞くとあります。聞くという感覚は一番初めに生じて最後まで残る感覚なのだそうです。死の間際の呼びかけは届いているそうですよ。
年を重ね、潤いが足りずシワが増えるとか、体の柔軟性が乏しくなるとか、冷えやすいとか物忘れが・・・etc.と色々足りなくなって切ない、悲しみと嘆く方もいらっしゃいますが、いつか尽きるものと認識していれば永遠の命が欲しいだとか、永遠の美が欲しいだとか願わず自然の摂理として受け止められるのではないでしょうか。それ以上を望むのは強欲ではないでしょうか。
人は腎に蓄えられた有限のエネルギー(先天の精)だけに頼っては生きて行けず(貯蓄はいずれ尽きてしまう)補う力(自分で稼ぐ力)も備わっています。それが食事による補充だったり日常の何気ない習慣です。40歳を過ぎたあたりからカラダのことに目を向ける方が多くなり当院へメンテナンスのお申し出も増えていますが、先天の精の減少を自然と感じているのでしょう。己を労わり愛しんでお過ごしいただければと願っています。
猛暑の夏から極寒の冬へと急激な変化には体も悲鳴を上げてしまいますが、夏と冬の間に秋や春があることで徐々に変化に対応することが出来ます。人生もその時期に応じた付合い方を丁寧にしていくことできっと豊かに過ごせると思います。
鍼灸治療・鍼灸セラピー カーチャ
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