【感想】東洋占術夏祭り

2019年8月27日

8月も残り少なくなりましたが、昨今の学校は「エアコン」という文明の利器のお蔭で夏休みが昔よりも短くなっているところもあるそうです。生まれた時からエアコンの中で涼しく育ってきた子供たちよ、文明の利器を恨むがいい・・・ぐふふ。
と、いじわるなおばちゃんは意外と8月は忙しく、あれよあれよと時間が過ぎていました。

8月12日「東洋占術夏祭り」

8月8日 “ウラナイ8”の公開直後、初のウラナイ8メンバーによる3部作講座「東洋占術夏祭り」が開催されました。

天海玉紀先生、翡翠輝子先生、甘夏弦先生お三方による贅沢な講座。他では決して味わえない構成内容でした。

第1部「陰陽の不思議な世界」天海玉紀先生

普段東洋医学と接している私にとって「陰陽」は基本の基でありますが、ここまで資料を読み込んで深く深く掘り下げて考えるということはないなと、改めて天海先生の研究心に感服した次第であります。
そして陰陽だけをテーマにした講座って今まであったかしら？東洋思想を学ぶ際、必ず目にする「陰陽」、「明と暗」「上と下」「熱と寒」など対象となるものを2つに分類したものとして頭にイメージ、インプット、それ以上でもそれ以下でもない。

有名な「陰陽」を表す図

陰から陽へ陽から陰へと変化するもの。絶対ではなく相対的なもの。とそんなことを言われると益々こんがらがってしまうかもしれませんが、この辺りも天海先生の華麗なる説明で皆様腑に落ちたご様子。

そしてこの図は平面で目にすることと思いますが、本来は球体なんですよね。球体でイメージした際、なるほど~と思ったものです。夏のところあれば冬のところ有。喜ぶ者あれば悲しむ者有。富める者あれば貧しき者有。表あれば裏有。陰陽は必ず対象となるもの同士であり、一つのものの中にも陰陽あり、またその中にも・・・ロシアのマトリョーシカみたく掘っても掘っても陰陽なのです。そしてそれが絶対ではなく変わりゆくものであり相対的なものです。見る位置が違えは景色は違ってくるもの。陰陽との出会いはとげとげした感情や思考をまろやかにしてくれたように思います。

宇宙の始まり「陰陽の世界」。なかなかお目にかかれないであろう講座内容です。気になる方は天海先生へリクエストしてみてください。

2部「東洋占術で自己表現ワークショップ」翡翠輝子先生

翡翠先生による景観読み。算命学や四柱推命で表される命式ですが、紙上ではのっぺりした単なる文字の並びにみえますが、翡翠先生の言葉の魔法にかかると個々の持つ風景が映し出されてきます。そのままでは殺風景なものだったりちょっとごちゃついているものだったりを綺麗な景観に整えることで生まれ持った命式が輝いてきます。持って生まれた性質はありますが、各々がどの色を載せてどのような風景を描くかは自分次第だな、と思った次第です。
ものすごく楽しいワークショップです。東洋占術を学んでいる人、興味がある方は是非機会があれば参加されることをおススメします。

3部「なっちゃんの夏休み研究発表」甘夏弦先生

今回3部作の中でゆるーいタイトルですが、内容は濃ゆくてちょっと息切れしました。
息切れというか息苦しいというか、サブタイトルは「車騎星の哀愁」でしたが哀愁なんてもんじゃないでしょ、と車騎・牽牛とは縁のない私にとってはとび髭危機一髪気分でした。

車騎・牽牛のスパスパ切れ味のよさに憧れていましたが、刀は必ずしも武器として使うものだけではなくて自分の権力とか力を誇示するものでもあり、刀や宝石に例えられるものって一度魅せられてしまったら手放せなくなる魔力だったり、それによって大事なものを手放すことになることもあり。などと結構この講座の後ドロドロと考え込んでしまったものです。ぎゃっふん。
私は占術家ではないですし、こうした他人様の命式を読むというのはどこか他人様のお宅に土足で入り込むようで、あまり好みではなかったのですが、人間という物質解析を研究するという面では大変興味深いものでした。意志が加わる人間は持っている性質をいかように使うかで異なった結果を生みますが、使い方によっていかようにでもなるということでもありますね。

東洋占術3部構成に参加して

陰陽に始まり五行による命式の景観読み、そして具体的な人間像。東洋占術を深く理解していない私にも東洋の豊かなジャッジメントのない思想を堪能しました。
いつも思うことは占術鑑定ははいい悪いのジャッジではなく、また有難いお言葉を頂くものでもなく、自分の持つ資質をどう生かすかのツールですね。動かなければ陰陽の太極図は平面で止まったまま、動きのある太極図をイメージしていきたいです。