雪降るの?ホントに降るの?と脅かされながら眠りについた翌朝、ここ横浜は雪の痕跡はなく「ほっ」と胸をおろしました。
所用で朝のうちに千葉に向かいましたが、アクアラインを抜けた後見事な雪景色におののき、危うくというかほとんどというかスリップして寿命が縮み2月がスタートしました。
昼横浜に戻る頃には、日差しが熱くエアコンを入れて上がったり下がったり。体リズムがおかしくなるのも頷けます。
春の突発性難聴
数日で立春を迎え、暦の上では「春」となります。2月を前後して当院で治療させて頂くことの多い「突発性難聴」の発症が増える傾向にあり。
突発性難聴とは「生来健康で耳の病気を経験したことのない人が、明らかな原因もなく、あるとき突然に通常一側の耳が聞こえなくなる病気をいう」と現代医学では定義されています。
“明らかな原因もなく”と原因不明であることが不安をさらに大きくさせてしまうともいえますニキビやオデキのように明らかに“なにか”目に見えるものがあればどこか安心するのかもしれません。現代医学での原因不明はそういった目に見える原因がないということを言っています。
陽気の高まる時期 潤い不足で熱の上昇
カラダの基本物質である潤いは中医学用語では津液といい、カラダを滋養するものです。血液もそのひとつ。カラダが柔軟に動けるのも太陽を浴びても干からびないのも安定した思考・感情を保てるのもこの潤い津液のお陰であり、肌や髪や目にとってもとても重要な物質です。
津液(水)や血は加齢による不足もあり、ストレスや過度な思慮、疲労、目の酷使、過度な運動・発汗などによって失われます。津液が不足することによって熱が生じ、熱の上に上る性質が耳に影響し難聴や耳鳴りを引き起こすこともあります。
自然界の活動を陰陽でみると冬至の頃から徐々に陽気が高まってきます。この時期にカラダの陰の割合が不足していると陽気に引っ張られ熱の鬱滞によって難聴を引き起こすこともあります。勿論突発性難聴の機序は他にもありますが、この時期にみられるものはこのパターンは多いです。
突発性難聴だけでなく、この時期やけに頭や首や肩が凝る、強張るなんていうのもあります。季節のせいでもありますが、季節が悪いのではなくて自身のアンバランスであることも自覚しておきましょう。
このタイプの場合は熱性の食品は控えたほうがよいです。
にんにく、しょうが、ねぎやスパイシーな香辛料を使ったものなど。肉は鶏より豚。
熱が上に上ってしまい循環せず、下部・足元などに冷えがみられることが多いので「冷え性」といってこれを食べて体温アップ!的な食品を摂りがちですが、過度に熱に傾いた食物はかえって悪化させることがありますのでご注意ください。
またこのタイプはなぜか温泉へ行って養生しがち(日本人の養生はやっぱり温泉?)、日ごろ多忙で休むということをしてこなかった方が休むことを意識されるのは大変よいことだと思います、ですがたっぷり浸かり過ぎると悪化することもありますので、入浴は腰湯程度で長湯はしないようにされることをおススメします。
突然起こるものでもない
カラダを構成している基本物質、気・血・水(津液)はとんでもないハプニングがない限り突然どっかーんと消耗するものでもなく、日々の労働やら思慮やら加齢やら食生活やらでじわじわと消耗しています。お話を伺うとそれぞれにカラダ史あり。
今日はちょうど私立中学の入試でしたが、入試の為に数年間コツコツと勉強してきたことでしょう。昨日受験しようと思いついて受験したところでなかなか合格通知は手にできないようにカラダもコツコツの積み重ね。良い物の積み重ねならばブラボーですが、不足したものを補いうにも余分なものを取り去るにもある程度の時間は必要となってきます。
突発性という病名が宇宙から降ってきた災難と受取ることもあるかもしれませんが、決して突然降ってきたものではないということ。
昨年12月から治療を始めた方でようやく耳鳴りの無い日が出てきました。何度も「これ治るのか?もう治らないのではないか?」と自問しながらやってきましたが、ちょっと気持ちが明るくなってきました。
突発性難聴にしても他の不調に関しても、個人の状態が複雑に絡み合っています。なので私はあえて○○病にはこのツボとかは書けません。ごめんなさい。今はネットでググればGoogleさんが教えてくれることはたくさんありますが、人間は機械ではないので、みんな違う。自分と似た人がいたとしてもやはり違う。そこを間違えるとかえって悪化させることもあり。また自分で思い込んでいる自分と実は違っていることも多々あります。
私たちボディーワーカ―はGoogleさんには今のところ出来ないことを生業としていると自負しております。ご相談ください。
鍼灸治療・鍼灸セラピー カーチャ
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