秋と冬、温寒の間で過ごし方に悩む時ですね。着過ぎても薄着でも風邪引きそうですもの。
五行・金・秋シリーズもそろそろ終わりかな。
五行と感情「五志」
東洋思想ではあらゆるものを5つに分類していますが、感情面「怒り、喜び、思い、悲しみ・憂い、恐れ・驚き」もそれぞれ五行に対応させています。(五情ではなく七情といいますが)
通常の情緒変化は健康的な反応で喜怒哀楽があって当然。ですが突然の刺激や長期にわたる精神刺激は体に影響し病を引き起こすこともあれば、体の状態により情緒反応を引き起こしやすくなると考えています。
金・悲しみ・気が消える
五行・金には悲しみが分類されています。古代の人はなぜ悲しみを関連させたのでしょう。
金・西・別れなどの関連でしょうか。悲しみは気が消えると言われます。エネルギー源である気が消えてしまい、意気消沈する。
五臓では金・肺ですが、肺は気を主るとされ悲しみは肺の気を損傷し、息が続かないとか声が小さくなるなど、肺の重要な働きである気を全身に散布するとか発声や呼吸の働きが上手くいかなくなります。
高齢のご夫婦のどちらかが亡くなり、後を追うように亡くなってしまうということも少なくありません。先日も奥様が亡くなられ、ご主人は認知症で奥様の死を理解されていたのかどうかでしたが、ひと月ぐらいして静かに息を引き取られました。認知症は表現することは出来なくなっても潜在意識ではきっと全てを理解してはいてもそれをうまく表現できない状態ではと勝手に思っているのですが、そう考えると奥様の死がどこかで堪えていただろうと想像するのです。生きていることは気の凝縮で死とは気が散り消えるという東洋思想です。
なんでもかんでも五行に当てはめて考える必要はありませんが、友人を失くした際には何をしていても場所を問わず涙がぽとぽと落ちてきて、全てが空虚で何かに操ってもらいながら毎日仕事場に足を運び時間だけが過ぎていく、そんな感じでした。どこかで自分の中に区切りをつけてお別れしなければと思ったものです。
家族、身近な人、家族同様のペット、そして己との別れは必ずやって来ます。悲しみを支えてくれるのは喜びや愛情。他者からの優しさや愛情であるかもしれないですし、自分が抱いていた失ったものへの愛情かもしれません。
別れは忘れて排除してしまう事ではなく、愛情をもって大事にしてきた関係に感謝してきちんとお別れをするということが大事なことなのではと思います。
悲しみで気が消えてしまわないように。