レジェンド 狂気の美学
映画「パディントン」を観た後に
「レジェンド 狂気の美学」
英国繋がり。。。いやあまりにジャンルが違いすぎるけど。
こちら英国ギャング社会の実話ストーリー
一人二役を演じるトム・ハーディーがかっこよすぎて☆☆☆☆☆評価です。
今時男子は草食だか雑草やらが女子受けしているようですが、やはり男は強くなければ魅力ないよねーと。。。
かっこよかった!で終わればいいのですが、なんか観た後胸につかえが残る映画です。
(ネタバレ含んでいるので観てみようという人はスルーしましょう)
かっくいいトム・ハーディー演じるのは当時英国を仕切っていた双子のギャングクレイ兄弟
二人で仕切っていたというよりも頭脳明晰冷静沈着な兄レジーがぎゅっと手綱を占めていて弟ロンは精神安定剤を飲まなければやりたい放題暴力に走ってしまう。
で、かっくいいレジーはフランシスって可愛い女性と恋に落ちて堅気の世界でまっとうな仕事をしようとしていくのだけれどそれを阻むのが弟ロン
いつもいつも邪魔をする。
でも双子の兄弟、怒り心頭しても兄弟。同じ羊水を分け合った兄弟
ってことでレジーはロンを見捨てることは出来ないしロンもわかっている。
イタリアマフィアのボスがレジーにロンを消せないか?と問うとレジーは寂しそうに「それはできない、ロンは俺の片割れだから」って。。。
(中身省略しますが)堅気のフランシスとレジ―はレジ―がまっとうな商売をしていくという約束で、もちろんレジ―もフランシスに応えるべく努力して結婚しますが・・・結局仲はこじれて家を出てしまいます。
フランシスはもう一度だけチャンスを!というレジーを受け入れたかのようにしておきながら・・・自ら命をたってしまうのですよね。
切ないね。
で、その後レジーは一人のジャンキーを滅多刺しにして殺してしまうことになります。今まで殺人はしなかったのに。
でロンは殺さなくても、あーあみたいな態度を取ると「お前は殺せないから、お前の身代わりだ」と耳元で囁いて立ち去る。。。
この相対する双子の兄弟を見ていると、ひとりの人間の中に潜む善と悪を感じます。
レジーは自分の中にある悪の部分をロンに見ていたのでないかと思うのです。
まるっと聖人君主なんてそういない。ドロドロとした意地悪な部分悪人な部分に蓋をして起こさないようにしているだけではないかと思うのです。理性だよね。
レジ―は弟の暴力的破壊的な部分を自分の一部として捉えていたからこそ理性的に生きていられたのではないかと。
何があってもロンの悪事を消し去り、何事もなかったことのようにしてしまうのは自分に対しての行いだったのではないかと思うのです。
最後には自分・双子の片割れ以外でホントに大切だったもの、愛するものを失い抑圧されていたものが一気に吹き出してきてしまったのではないかと思います。。
人間を描いたフィクションではなく実話だというからね。
その後ギャングが幅を利かせていられた時代は過ぎ、二人は刑務所に。レジ―は33年間収監され亡くなるまで自ら命を絶ったフランシスと向かうはずだった地へのエアーチケット2人分を肌身は出さず身につけていたということです。
もっと幸せに生きる生き方もあっただろうに。
大事なものに気づくのが遅すぎたのだよ、レジ―
37兆個と言われる人間の細胞はどのくらいがその人の人生に現れているのでしょうね。
まだ知らぬ自分がきっとあるのだな。こわいことだ。
おわり