昔、友達に誕生日いつ?と聞いたら
「サンキューだぜ」
と言われ、こいつ早くもプレゼントおねだりか?!
と思ったら、「3月9日 サンキューだから忘れないでね」ということだった。
彼曰く、生れたその瞬間から感謝しているのだと自慢げに語っていた。
「ありがとう」と言われて嫌な気分になることは滅多にないと思う。
新入社員の頃、おじさんに囲まれ部署では女の子ひとり。しかも個室の部署。つまらん。
無駄話することもなく、仕事をしながら人間ウォッチングをしながら日々過ごしていた。
おじさん達は(たぶん)みな一生懸命お仕事お仕事
あの時代はコピーして!とかファックスして!とかそういうお仕事も女の子のトレイにポイポイ投げ込んでいたおじさんたち
いちいち反応するのも面倒なので、トレイに投げ込まれることには無反応「へーいやっておきまーす」くらいに思っていた。
この投げ込むっていうのが無償に腹立たしい。「これ!」って付箋をつけて人のデスクに紙飛行機を飛ばすかのように投げ込んでくるのだから。。。むかむか。。。だから痩せないんだよ!とか常にダイエットしなきゃと言っていた上司には仕事をしているフリをして心の中で叫んでいたものだ。
しかーし、私がメインでついていた部長は違っていた。
「もちづきさん(わたしにこと)これお願いね、これどこどこにファックスしておいてね。」
と面と向かってお願いしてくる。
とっても忙しくて、日本と海外を行ったり来たりして社内にいる日というスケジュールでもあれ~どこ行った?
と探し回るほど。
でもお願いしたいことはもちづきさーんとお願いしにやってきて、出来上がりに関してはもちづきさーんありがとう。
と必ず感謝の気持ちを伝えてくれていた。
大した仕事をしていたわけではないのに、ものすごーく嬉しくて、どんなに面倒なことでも時間に追われていてもこの人の仕事はきっちりやるぜ!と思っていたものだ。
20歳そこそこの女の子は出世する人物とは下のものに「ありがとう」のひと言が言える人だ。
と確信した。
あっ、ありがと!とついでにうわの空でいう人はいたかもしれないけれど、しっかりこちらを見て「ありがとう」と言ってくれる人は当時の社内ではなかなかいなかったなぁ~と思う。
時は同じころ、20歳そこそこで付き合っていた彼は左ハンドルの車を運転していた。
まだETCなどという自動ドアはなくて、高速道路の料金所には必ずBoxの中におじさんがいた。
で、左ハンドルなのでおじさんとのやりとりは助手席の私のお仕事
料金を支払い、領収書を受け取ると、「すいません」となぜか日本人に多いこの挨拶が出てしまう。
彼に「なんであやまるの?、ありがとうでしょ!」と言われ
「あっ、そうか」と目から鱗
以来、「ありがとう」と言ってきたのだが、おじさんはもういない。。。
助手席のポジションをなくした私におじさんはひと時の憩いの場だったのに。。。
(料金所では名札の名前を見て、名前付きでありがとうと言うのが私の習慣になっていたのよ。)
スーパーやカフェ、ショップで見ず知らずの人に対してだって何かしてもらったら「ありがとう」
道を譲ってくれた人に「ありがとう」
言う方も言われる方も悪い気はしない「ありがとう」
最近のやり取りの相手はvs機械という場面が多い。
なんかちょっと寂しいよね。
今ある自分はたくさんの人、物に囲まれてここにあるのだから
感謝すること、日々忘れないように
感謝の花言葉をもつ花はいくつかあるようですが、私の好きなカンパニュラもそのひとつ